逆日歩で大損
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資産株をカラ売りヘッジした場合、逆日歩(ぎゃくひぶ)がついて大損する事もある。
なので、貸株注意喚起や新規売り停止(通称:売り禁)が出たら、カラ売りはさっさと手仕舞った方が良い。
そもそも株価下落で資産株の価値が減る分を、カラ売りでヘッジ(防止柵)しているだけだ。
だからヘッジのためのカラ売りで損をしたら、話にならない。
もちろん保有株数と同数のカラ売りをしていれば、株価が上がっても下がっても、損益は殆ど変わらない。
1,000円で買った株が800円まで下がっても、1,000円でカラ売りした株が同数あれば、プラスマイナス・ゼロだ。
下落トレンドがハッキリしておれば、現物株を減らすか、カラ売りの株数を増やせば、下がれば下がるほど利益が増える。
逆日歩 カラ売りの落とし穴
下落トレンドがハッキリしたら、カラ売りヘッジして、さらにカラ売りを積み増すと利益が増える。
そこで調子に乗って現物株を全部手放して、カラ売りだけ残すというようなことをすると危ない。
というのも、そこまでトレンドがハッキリしてくると、他の投資家もカラ売りを積み上げているから、貸株不足になるからだ。
貸株不足になると、逆日歩(品貸料)という特別料金がカラ売り株全部に課せられる。
1日1株あたり、1円とか2円の罰則的利用料が発生するのだ。
1万株のカラ売りをしておれば、毎日1万円の利用料が課せられるのだ。
しかも品貸料は土日祝日分も課せられるので、一週間で7万円にもなってしまう。
もちろん株価が毎日2円より大きく下がり続ければ、この品貸料を支払っていても十分ペイできるのだが、株価が反転上昇を始めると、一気に損が膨らみはじめる。
さらに貸株不足が深刻になると、逆日歩が1日10円とか20円に増えることもある。
これが「恐怖の逆日歩10倍適用」で、そうなると毎日10万円とか20万円が飛んで行くことになる。
こうなると、株価が毎日20円以上下がらないとペイできなくなるので、さっさとカラ売りを手仕舞って逃げた方が良い。
逆日歩と損益分岐点の一例
カラ売り時の株価 | 逆日歩 | 損益分岐点 | 備考 |
---|---|---|---|
-1,000円 | 1円 | 毎日1円以上ずつ下がらないと損 | |
-1,000円 | 2円(通常時の最高料率) | 毎日2円以上ずつ下がらないと損 | |
-1,000円 | 4円(最高料率2倍) | 毎日4円以上ずつ株価が下がらないと損 | 貸株注意喚起、売り禁がでると自動的に最高料率が2倍に引き上がる。 |
-1,000円 | 20円(最高料率10倍) | 毎日20円以上ずつ株価が下がらないと損 | 最高料率10倍適用 |
-1,000円 | 60円(最高料率10倍適用で、土日またぎ) | 60円以上株価が下がらないと損 | 水曜日の大引けに持ち越すと、土日分を併せた3日分の品貸料が必要になる。3連休だと4日分になる。 |
カラ売りを手仕舞いする方法
カラ売りを手仕舞いするには、
- 買い埋め
- 現渡し(げんわたし)(または品渡し)
という2種類の方法がある。
買い埋めは、簡単に言うと、新たに同株数だけ信用買いを行って、相殺する方法だ。
形式的に株を新たに買うので、売買手数料がかかる。
一方、現渡しは「既に持っている現物株」とカラ売りを相殺する方法だ。
既に持っている株を使うので、売買手数料はかからない。
資産株をカラ売りでヘッジする場合、保有株数以上のカラ売りをしている。
なので保有株数分を現渡しで決済して、残りを買い埋めで決済すれば、手数料が節約できる。
配当取りのための現物株は、株価が上がり始めたら、そこでまた買い直せば良い。
高値で買うときより、安値で買う方が手数料は安く済むし、株数もたくさん買えるし。