出来高が少ない銘柄は、避ける
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老後の資産形成のための株式投資。
買ってはいけない株その2は、「出来高や売買代金が少ない株」だ。
出来高というのは、一日の内に売買された株数のことで、売買代金は、一日に売買された金額の総合計だ。
出来高や売買代金が少ない株は、換金性が劣るので、資産株としては適さない。
というのも、お金が必要になったときに、数日で現金化できるのが株式の長所だ。
流動性が高いのが、株式投資の良いところ
不動産投資の場合は、手持ちの不動産を売りに出しても、買い手が見つからなければ現金化するのに何週間も何ヶ月もかかってしまう。
そしてお金に困っていることが分かると、足元を見られて買いたたかれるのが関の山だ。
現金化しやすいということを、経済学では「流動性が高い」と言うのだけれど、不動産は流動性が低い資産なのだ。
一方、株式の場合は、売りたくなったら一週間以内に現金化できる。
株式は売却した2日後(2営業日後)にお金が引き出せるので、金曜日に売却しても翌週の火曜日には現金化できる。
なので株式は、非常に流動性が高い資産だと言える。
ただこれは、出来高が、それなりに大きな銘柄に限った話だが。
上場企業でも、全く取引されてない銘柄もたくさんある
上場企業でも、殆ど取引されていない銘柄も、たくさんある。
東証全体でも、一日の出来高が10万株(1,000個)以上ある企業は、1,300銘柄前後しかない。
東証には2019年9月現在で、東証一部およそ2,100社、東証二部およそ500社、東証マザーズおよそ300社、JASDAQ(ジャスダック)およそ700社の、都合3,000社以上が上場している。
しかし東証に上場している企業の内、日々の出来高が十分にある銘柄は、全体の4割くらいしかなく、殆ど取引がない銘柄も多い。
どんな感じなのか、少し紹介しよう。
一日の出来高が少ない例 その1
これは、一日に12件しか取引がなかった銘柄の例だ。
出来高は4,100株、売買代金は60万円しかない。
こんな株を1万株握ってても、仕方ない。
一日の出来高が少ない例 その2
これは「セーラー万年筆」という東証2部銘柄だけど、出来高は9,100株で、売買代金は152万ちょっとしかない。
セーラー万年筆は、昔からある文房具メーカーで、年商50億円くらいあるし、時価総額も25億円くらいある。
しかし赤字続きで、無配(配当無し)が何年も続いている。
そのため、通常はもう本当に売買されていないのだ。
こういう出来高が極小の銘柄は、配当ないのが普通なので、資産株としては適さない。
同じ低位株で、色々問題が出ている企業でも、出来高が多い銘柄も多いし。