線香花火のように、ちょっと光って落ちる銘柄
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不人気銘柄の株価は、上がらない。
不人気銘柄に好材料が出ると、その当日は株価が急騰するが、二日目以降の株価の上昇は鈍い。
3日目になると、新しい材料が出たのにもかかわらず、元の株価水準近くまで戻る銘柄も多い。
ストップ高翌日にもう、株価がマイナスになる銘柄も多く、そのあとはまた閑散化する。
こういうのを「線香花火銘柄」と呼んだりする。
線香花火のように、ほんの数分だけ輝いて、ポトンと落ちるのだ。
線香花火銘柄は、株価を上げようという仕手筋や中小ファンドが居ない場合に、よく起こる現象だ。
イナゴ投資家とイナゴタワー
不人気銘柄の場合、売買する投資家は本当に少ない。
時価総額が何十億もあるのに、1日の売買高が数万株程度で、売買代金が数百万円から二千万円くらいしかない。
こういう銘柄は、買い手も売り手も居ないので、株価は殆ど動かず、地合いが悪くなったときだけ下がったりする。
ところがこういう銘柄でも、決算発表はあるし、新しい材料も出る。
面白そうな材料が出たら、買ってみようという動きが出る。
新しい好材料が出ると、株価がビュッと上がって値上がり率ランキングに載る。
なにしろ普段から売り物が少ないので、5,000株くらい買い上がっただけで5%位上がったりするのだ。
そして株価が上がってランキングの末尾に載ると、イナゴ投資家やデイトレーダー達が集まってきて株価がさらに上がる。
しかし買い支える大口さんが居なければ、株価は結局下がってしまう。
もともとさほど人気が無い銘柄の場合、配当も出ないし固定ファンも少ない。
なのでイナゴ投資家やデイトレーダー達は、株価が上がりそうにないとみると、さっさと売って退室していく。
イナゴ投資家やデイトレーダーは、利益確定も損切りも素早いので、ホントに5分くらいで去って行く。
その結果、分足チャートに「イナゴタワー」と呼ばれるタワーができあがる。
イナゴタワーの5分足チャートの例
朝の十時に発表が出て急騰、、その後、売りに押されて上昇しなかった例。
この銘柄の場合、一年に何度か賑わう銘柄なので、好材料が出ても元の水準まで戻ってはいない。
しかし不人気銘柄だと、好材料が出ても株価がマイナスまで落ちる場合も多い。
好材料が出たのに、株価が下がるケースとは
好材料が出たのにマイナスになるケースは、大きく二つあって
- 既にそういう材料が出ることが織り込み済み(材料出尽くし)
- 高値を掴んだトレーダーが、見込み無しと判断して投げ売り
というパターンがある。
最初のパターンは、期待されているので株価はジワジワすでに上がっていて、材料が出た瞬間の急騰に併せて売ろうと思っている既存ホルダーが多い場合によくあるパターンだ。
二つ目のパターンは、株価急騰で集まったイナゴ投資家やデイトレーダー達が、損切りして株価がマイ転するパターンだ。
そもそも普段から買い手が少ない銘柄の場合、大きな売りが出ると、ドーンと下がってしまう。
その結果、株価は材料が出る前より下がってしまうと言うことが起こるのだ。