機関投資家は、どうやって株を売買しているのか
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機関投資家(年金・生保・損保)やプロトレーダーは、安値のうちに株を買い集める。
十分な株が集まるまでは、買い上がらない。
彼らは、その銘柄に近々、好材料が出ることを知っていて、その材料が出る前に株を買い集める。
そして材料が知れ渡る少し前に、少しずつ買い上がっていく。
なぜかジワジワ騰がっている銘柄があったら、近々何か思惑があって、買い集めているグループがいるのだなと思えばよい。
例えば、業績の上方修正が期待出来る銘柄。
さらには、配当額が増えそうな銘柄。
そういう銘柄を少しずつ買い集めていくわけだ。
そして株価が上昇し始めたら、少しずつ利益確定して、買い集めた株を売っていく。
なかなか面倒くさいやり方だ。
株で儲かるのは、高値で買ってくれる人が居る場合だけ
こういう話を株式投資の本で読んだ時は、なぜそんな面倒なことをするのか、良く分からなかった。
安値で買い集めるのはともかく、儲けるなら高値でドカンと売れば、それで良いだろう?と思っていた。
しかし株式投資を十年以上やっていると、こうしないと利益がとれないのだと分かる。
毎年毎年10%や20%以上の利益を上げるためには、これは必要な事なのだと理解した。
と言うのも機関投資家が運用している投資資金は、数百億円から数千億円だ。
組織全体では、数兆円とか数十兆円の資金を運用しているところも多い。
日本の年金機構は、百数十兆円の資金を抱えているが、海外の巨大ファンドやヘッジファンドも兆円単位で資金運用を行っている。
こういうとんでもない巨大機関投資家は、資金が巨大なだけに儲けにくい。
というのも、株式投資で儲けるには、自分が買った株価よりも高い値段で、大量に買ってくれる人が居ないと、儲からないからだ。
巨大機関投資家の持つ資金なら、日本の時価総額トップテンに入るような大企業でも、買収できてしまう。
ところがそれよりも高い値段で、全株買い取ってくれる別の巨大機関投資家は、まず居ない。
また大量に持っている株を売りに出せば、株価はドーンと下がってしまって大損してしまう。
高値で大企業を買収しても、投資利回りは3%もあれば良い方だから、10%の利益を取るなんてできない。
これでは株式運用にならないから、様々企業の株を数十億円から数百億円くらい買って、配当を受け取りながら、その一部を売ったり買ったりして利益をとるわけだ。
高値で買ってくれる「他の機関投資家」や「一般投資家」が居なければ、高値でドーンと株を売って儲けることは出来ないのだ。
そのため、株価が上がるにつれて、少しずつ株を売却して利益を取るわけだね。
もちろん、底値で買い集めた株は、配当取りのためにずっとキープし続けながら。