急騰株と仕手筋 株価はどう動く?
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仕手筋(してすじ)とは、株価を吊り上げて儲ける投資家集団だ。
株価が急騰して数倍にもなる場合、仕手筋や中小の投資ファンドが絡んでいることが多い。
通常、中小企業に新しい材料が出ると、その当日は株価が急騰するが、二日目以降の株価の上昇は微妙になる。
3日目になると、新しい材料が出たのにもかかわらず、元の株価水準近くまで戻る銘柄も多い。
ストップ高翌日にもう、株価がマイナスになって居る銘柄がよくあるが、そういうパターンだ。
これは、その銘柄の株価を上げようという仕手筋や中小ファンドが居ない場合に、よく起こる。
株価が急騰すると、イナゴ投資家やデイトレーダー達がわんさか集まってきて株価を吊り上げる。
しかし買い支える大口さんが居なければ、株価は下がってしまう。
もともとさほど人気が無い銘柄の場合、配当も出ないし固定ファンも少ない。
なのでイナゴ投資家やデイトレーダー達は、株価が上がりそうにないとみると、ドンドン売り抜けて退室していく。
その結果、「イナゴタワー」と呼ばれる「上ヒゲ線」が出る。
通常は、こういうパターンが多い。
ところが日足チャートに上ヒゲ線が所々に出ていると、仕手筋が絡んでいる場合もある。
上ヒゲ線は、仕手筋の買い集め?
上ヒゲ線が多い銘柄は、その銘柄を買い集めている人が居る可能性がある。
閑散銘柄なので、売り板は薄い。
そこで少し多めに株を買うだけで、株価はぴょんと跳ね上がる。
ところが閑散銘柄なので、カラ売り師達がすぐに集まってくるし、既存ホルダーは「噴いたら売り」とばかりに、手持ちの株を売ってくる。
その結果、日足チャートで見ると、ところどころで上ヒゲ連発になって居るわけだ。
ところがその銘柄に、好材料が出そうになると、上ヒゲではなく陽線になってくる。
カラ売り師や既存ホルダーが売ってきても、買いの方が強くなってきて、株価が下がらなくなるのだ。
売買高や売買代金も増えてきて、イナゴ投資家も集まるし、ウイークリートレーダー達も集まってくる。
思惑の内容が銘柄別掲示板に投稿され始め、「この株は化けるかも」という雰囲気が少しずつ出てくる。
そこで仕手筋はドーンと株を買い上がって、目立たせたりする。
さらに株式投資関連の新聞やWebサイトで紹介されて、売買高や売買代金が急増する。
こういう風に、事前に上ヒゲが何度か出ている銘柄は、大きく化けることが多い。
ダブルバーガー(株価2倍)、トリプルバーガー(株価3倍)になる銘柄も多いし、テンバーガー(株価10倍)になることもある。
これは仕手筋や中小ファンドが、目的を持ってしっかり株を集めて、計画的に株を買い上がっているからだ。
前日、イナゴタワーができて、翌日に大きく挙がった例
前日、謎の噴き上がりがあって、翌日、大きく買いが入ったケースの5分足チャート。
材料らしきモノはハッキリしなかったが、連続的に買いが入って急騰した。
閑散銘柄に突然買いが入ると、数日後に動くことも良くあるパターンの一つ。
日足を見て、上ヒゲが多い銘柄は、どこかでそれが陽線になり、少しずつ動き出し、そしてやがて大きく上がる事も多い。