カラ売りと信用取引 カラ売りの仕組み

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カラ売りヘッジは、資産株の価値が下がるのを防ぐために、持ち株と同数のカラ売りを入れる方法だ。

 

カラ売りは、株価が下がればその分だけが利益になるため、資産株の下落分を埋め合わせることが出来る。

 

そういう風にここまで説明してきたわけだが、そもそもカラ売りとは何かという説明をしてなかった。

 

なので今回は、カラ売りとカラ売りの仕組みを、まとめておこう。

 

カラ売り出来る株、出来ない株

まず、カラ売りとは、自分が持っていない株を売ることだ。

 

自分が持ってない株なんて売れるの?と思うが、株式市場では持っていない株も売れる。

 

手の中が空っぽだから、カラ売りという。

 

もちろん、どこにも存在しない株を勝手に売るのは、インチキだ。

 

そんなインチキを許せば、株式市場が大混乱になる。

 

株式上場前から粉飾決算していて、さらに東証一部に上場までしたインチキ企業もあるけど、存在しない株を株式市場で売るのは、さすがにダメだ。

 

なので実際にカラ売りできる株は、「借りてくることができる銘柄」だけで、これを「貸借銘柄」(たいしゃく)と呼ぶ。

 

資産株でカラ売りヘッジが使えるのは貸借銘柄だけで、だから資産株は貸借銘柄の中から選ぶべきなんだね。


 

貸株(かしかぶ)と保証金

カラ売りとは、株を借りて来て、それを売るという取引だ。

 

株を借りて来て売り、後日、同じ株を買い戻してそれを返す。

 

この1往復がカラ売りの基本で、カラ売りを「売り建て」、買い戻しを「買い埋め」と呼ぶ。

 

もちろん、ただで株を借りることは出来ない。

 

株を借りるにはまず、その時点の株価の4割程度の保証金が必要だ。

 

たとえば時価30万円分の株をカラ売りするには、12万円くらいの保証金を積まねばならない。

 

保証金を積んで株を売買する方法を「信用取引」と呼ぶが、カラ売りは信用取引の一種だなのだ。

 

信用取引を行うには信用取引口座が必要で、現物株口座とは別に新たな口座も開設しないといけない。

 

信用取引をするには、証券会社の審査が必要で、最低30万円の保証金も必要だ。

 

楽天証券なら、100万円くらいの金融資産があれば、信用取引口座が開設可能だ。

 

また株を借りている期間は金利もかかるし、貸株不足になると「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という特別料金もかかる。

 

カラ売りの上限数と返済期限

カラ売りにつかう貸株は、株の持ち主から借りてくるため貸株数には上限がある

 

いくら何千万も保証金があっても、貸し株数上限を超えてカラ売りすることは出来ない。

 

また貸株には返済期限があって、通常のカラ売りは6ヶ月以内に返済しないといけない。

 

信用取引には、制度信用と一般信用という2種類があるが、どの証券会社でも利用できる制度信用の返済期限は6ヶ月なのだ。

 

制度信用と一般信用 比較
返済期限 請負
制度信用 6ヶ月以内 日証金(にっしょうきん:日本証券金融株式会社)、どの証券会社でも条件は同じ
一般信用 2年以内 貸株料は、利用している証券会社や銘柄によって様々
いちにち信用(プレミアム空売り、など) その日のうち、または翌営業日 利用している証券会社の独自サービスで、毎日貸株料が変わる。

 

貸株不足 貸株注意喚起 売り禁 逆日歩(ぎゃくひぶ)

カラ売りは貸し株数に上限がある。

 

貸株は、日証金(日本証券金融株式会社:にっしょうきん)や証券会社が持っている株や、大株主から貸株契約しているなかから貸し出される。

 

そのためカラ売りが急に増えると、貸株が不足するため、「逆日歩」(ぎゃくひぶ)と呼ばれる特別料金(品貸し料)が課せられる。

 

逆日歩は制度信用で日証金から株を借りている人全員にかかるプレミアム料金で、1株あたり1日5銭とか1円といった料金がかかる。

 

たとえば1万株のカラ売りをしていて、逆日歩が1円になると、毎日1万円の逆日歩を支払わねばならないのだ。

 

これによってカラ売りの買い埋めを促して、株不足を解消しようという仕組みだ。

 

逆日歩には上限が決められているが、「貸株注意喚起」や「貸株停止」になると、上限が2倍になる。

 

それでもカラ売り不足が解消しなければ、最大10倍まで上限が引き上げられる。

 

逆日歩については、色々注意が必要なので、また別のところで説明することにする。

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