大儲けでも、売るときは後悔ばかり
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株式投資を始めてすぐに気づくのが、「株を売るのは難しい」ということだ。
株式投資を始める以前は、「安いときに買って、高いときに売れば良いんやろ?」と簡単に思っていた。
しかしうまく安いときに買えたとしても、高いときに売るのは非常に難しい。
というのも、株を売るという事は、売ったあとに株価が上昇して儲けるチャンスを放棄することだからだ。
株を持っていれば、さらに上がるかも知れない、もしかしたら株価が2倍3倍になるかも知れない。
しかし株を全部売ってしまえば、そのあとはもうノーチャンスだ。
たとえば250円で買った株が300円まで上がったので、そこで売って利益確定した。
株価は2割も上がったので、十分な利益が出た。
ところが、そこからさらに上昇して、一週間後になんと500円を突破した。
2割どころか、株価が2倍になったわけだ。
さらに株価が上昇して、二週間後には1,000円まで上がった。
こうなると、「2割も儲かった」から、「2割ぽっちしか儲からなかった」に変わってしまう。
そうして「あのときなぜ、自分はこの株を売ってしまったのだろう」と後悔する。
急騰株を掴んでも、後悔ばかりする
こういうことを何度か経験すると、買った株を迂闊に売るのをためらってしまう。
株価が上昇している間は、「これって、いつ売るべきナンだろうな」と、ずっと考えるようになる。
以前は2割儲かったら大喜びしていたのに、2割じゃ満足できなくなってしまう。
そして株価が上がれば上がるほど、株を売るという事に迷いが出てしまう。
そうして気がつくと株価が大きく下がってしまい、せっかくの含み益をフイにする。
というのも株価の急上昇を何日も見てしまうと、まだまだ買いが入って騰がるんじゃないかと錯覚してしまうわけだ。
なのでドンドン大口さんが万株単位で売り始めて株価が暴落しても、売るのが遅れて結局、大して儲からなかったりする。
株価が上がれば上がるほど、上昇幅も下落幅も大きくなるので、下がりだしたら下がり方は半端じゃない。
急騰した株は、1,000円くらいから1,300円まで上がったと思ったら、700円までドーンと下がったりするのだ。
特に悪材料が出たわけでもないのに、売り殺到でストップ安まで売り込まれてしまう。
種を明かせば、昨日までの大口の買い手が、今度は売り手に回ってしまうのだ。
昨日まで万株単位で買い上がってた連中が買うのを止め、万株単位で売りに回ったのだから、手のつけようがない。
連騰後の急落 日足チャートの例
ピークの1300円で買った人にとっては、ほんの数十分で半額くらいになってしまうのだから恐ろしい。
しかもストップ安に貼り付けられて、売りたくても売れなかったりする。
翌日も大幅下落になることも多く、余程の材料でないと反発は期待出来ない。
「何であのとき、売って利益確定できなかったんだろう」と後悔することになる。
上手く最高値付近で売り抜けられれば最高だろうが、そんなことは一生のうち何度もない。
結局、株を売るときと言うのは、妥協しないといけない。
そのためベテランやプロトレーダーは、複数株を持ちつつ、株価が上がるにつれて利確していく。
たとえば250円で千株買ったとしたら、350円から400円くらいで半分の500株を売って投資を回収。
株価が2倍になったところで残りの内300株利確して、最後の200株は大幅下落が始まるまで持ち続ける。
こういう風に、株価が上がるにつれて少しずつ利益を確定していくわけだ。