配当金を受け取るには、株主にならないといけない
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老後のための資産作り、資産株の買い方。
次は配当をもらう方法だ。
配当とは、企業が上げた利益から、株主に分配される分配金だ。
経済学的には残余利益(ざんよりえき)の一部が配当金だ。
残余利益とは、一年間事業を行った後に、様々な支払いを済ませて残った利益のことで、この一部が株主に還元される。
ではどうすれば、配当をもらえるのか。
配当をもらうには、まず、株主にならないといけない。
いくら高配当の企業でも、株主でもない人に配当は支払えないからね。
なのでまず、株主が誰であるかを調べてリストを作り、自社の株主に分配金を振り込む。
ところが資産株になると、毎日十万株以上の売買が行われているわけだから、株主はドンドン入れ替わっている。
毎日株主が変わっているわけだから、どこかの時点で、誰が株主なのかをFIXしないといけない。
権利確定日、決算発表、株主総会
上場企業の株式は、毎日のように物凄い株数の売買が行われている。
そのため、株主は日々入れ替わっていて、自社の株主が誰でどこにいるのか分からない。
そこで年度末時点でその株を持っている人を、株主として認定する。
3月末を年度末としている企業なら、3月31日の大引け時点で株を持っている人を、株主に決める。
ただ株売買には、約定日(やくじょうび)と受渡日(うけわたしび)というのがあって、株を買った日と株を受け取る日は違う。
2019年秋の時点では、約定日の2営業日後に株券が渡されることになっている。
そのため、株主権利を得るために3月31日に株を買っても遅い。
その数日前に株を買って持ち越さなければ、株主として認定されないわけだ。
この株主権利が確定する日のことを、「株主権利確定日」という。
そして、株主権利が付いた最終売買日のことを、権利付最終日と呼ぶ。
株主権利付最終日の大引け時点で、その企業の株を持っていると株主名簿に記載され、3ヶ月後くらいに配当金が分配される。
決算発表、株主総会、配当金振り込み
配当金がいくらになるかは、決算発表で発表され、株主総会で正式に決まる。
毎年3月末が決算の企業であれば、3月の最後の1週間に株主権利確定日がある。
4月に決算速報が出る場合もあるが、5月には正式な決算発表がある。
決算発表では、配当金をいくらにするかも併せて発表される。
その後、5月下旬から6月に株主総会があり、配当が承認されたら、そのあとに配当金が振り込まれる。
配当金は自分が使っている証券会社を通して支払われるので、特に何の作業もしなくて良い。
株主総会のお知らせが届いたら、一ヶ月後くらいに振り込みがあるなと思えば良い。
株主権利確定後のスケジュール
※3月末決算企業の場合
- 株主権利確定 (3月末)
- 決算速報 (4月中)
- 本決算発表 (4月末から5月中旬)
- 株主総会のお知らせ (5月下旬から6月)
- 株主総会 (6月末)
- 配当振り込み (7月)
ちなみに株主権利確定日の一日だけ保有していてても、配当をもらうことが出来る。
ただその日一日だけ買うのはリスクが高い。
というのも権利確定日の翌日は株価が下がりやすくて、もらえる配当金より株価が下がることも多いので、ギャンブルだし。