劣化資産は、資産じゃない

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貸借銘柄(たいしゃくめいがら)とは、カラ売りヘッジできる株のことだ。

 

資産株を作るためには、株価が下がったときに備えてカラ売りヘッジが必須になる。

 

資産株は、配当をもらうために買いつけるわけだが、株価がドンドン下がると資産価値がみるみる下がっていく。

 

株価が一時的に下がっているのであれば、また値が戻ってくることも多いが、そうでない場合は対策が必要だ。

 

カラ売りヘッジできる貸借銘柄は、そういう場合にカラ売りで損失を減らすことが可能で、だから資産株は、貸借銘柄から選ばないといけない。


 

劣化資産と損切り

価値が下がっていく資産のことを「劣化資産」と呼ぶ。

 

自分の持っている銘柄が劣化資産化すると、買う人が少なくなるので株価がドンドン下がっていく。

 

こういう場合、本当は、すぐに売って損切りすべきだが、資産株として買いつけた銘柄は、なかなか損切りできない。

 

なのでそのまま含み損を抱えたまま、「塩漬け株」にしてしまう人も多い。

 

一般的には、粉飾決算や不正に関連するような事件が起こると、株価はドーンと下がって、そのまま回復しない。

 

株価は半分になり、3分の1になり、5分の1になり、ついには紙くず、電子のチリになって消えてしまう。

 

決算を粉飾すると言うことは、実際の経営状態は相当やばい状態にあるから、次から次へと悪材料が湧き出てきて、株価はそのたびに大幅下落する。

 

余程の起死回生策が出てこない限り、株価は元の水準には戻らないのだ。

 

こういう場合、すぐさま株をたたき売るか、カラ売りヘッジして損失を抑えないといけない。

 

保有株数より多くカラ売りをすれば、下落のどこかで収支はプラスになる。

 

また下落がまだまだ止まらないとみれば、保有株と含み益が出ているカラ売りを併せ決済して、カラ売りだけ残すという方法もある。

 

一番良いのは、いくら損失が出ようと、とにかくすぐに叩き売ることなのだが、投資経験が少ないうちは、まだそういう暴落の恐怖を経験していないので、叩き売りが出来ない。

 

ならば次善の策として、カラ売りヘッジして、カラ売りの方を増やして対策するだけでもやっておかないと資産は守れない

 

塩漬けに出来ない株 シャープの例

たとえば、2012年に経営危機を迎え、2016年に台湾企業の子会社になったシャープの株価を見てみよう。

 

シャープと言えば、液晶テレビで一時代を築いた大電機メーカーだ。

 

エアコン、テレビ、携帯電話などなど、オーディオビジュアル製品やエアコンや空気清浄機などの白物家電、さらには太陽光発電パネルなども製造販売していた。

 

ところが液晶テレビが儲かると言うことで、経営資源を液晶パネル生産に集中させた結果、深刻な経営危機を迎えた。

 

というのも韓国メーカーや中国メーカーが、安い液晶パネルを大量生産しはじめて、シェアをドンドン失っていったからだ。

 

というわけで、シャープの株価はこうなった。

シャープ 株価の推移 月足チャート 2010-2019

シャープ 株価の推移 月足チャート 2010-2019
(※ヤフーファイナンスより作成)

 

このチャートを見ると、株の初心者は「酷い株だ」と思うだろうが、自分の保有株がこういう酷い株だとは思っていない。

 

だから損切りもカラ売りヘッジもせずに、ただただ塩漬けにしてしまう。

 

一方、株のベテランは「カラ売りしたら、相当儲かってたな」と思うし、実際にカラ売りを入れて儲けようとする。

 

株価は需給バランスで決まるので、ベテランやプロがカラ売りしはじめたら、もはやなすすべもなく株価は暴落する

 

だからこそ直ちに叩き売って損切りすべきなんだけど、何度も暴落を経験して痛い目に遭わないと腑に落ちないし、行動に移せないんだね。

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