踏み上げと逆日歩

カラ売りヘッジは、資産株作りには欠かせないスキルだ。

 

配当をもらうために優良企業の資産株をたくさん持つのは良いが、資産株の評価損がでかくなると、なんのために株を買ったのか分からなくなる。

 

そこで、株価が下落トレンドに入ったと思ったら、カラ売りを入れてヘッジする。

 

下落がさらに続きそうなら、保有株を売ってカラ売りだけにして、下げ止まったと思ったら、そこでもう一度現物株を買う。

 

カラ売りした価格と、現物株を買った時の株価の差が利益になるので、値下がりによるマイナスを何割かは埋め合わせることが出来る。

 

こうして、現物株とカラ売りを組み合わせて資産を守るわけだ。


 

カラ売りの弱点 急騰に弱い

カラ売りで資産株のヘッジをするのは良いが、カラ売りは大きな弱点を抱えている。

 

というのもカラ売りは、急騰に非常に弱いのだ。

 

カラ売りで挙げることが出来る利益は、最大でも売値の99%までだ。

 

企業が粉飾決算や債務超過で暴落して、売りだてた時点の株価が1円になったところが、最大利益になる。

 

一方、カラ売りでの損は、理論上、無限大だ。

 

株価が売り建て時の2倍になれば、売り建て時の株価分が吹っ飛ぶ。

 

そのため、カラ売りだけの「裸売り」をしている間に好材料が出て、株価が急騰すると、あっと言う間に利益が吹っ飛ぶ。

 

カラ売りと現物株を同数持っておれば、カラ売りの損と現物株の利益が相殺するので良いが、カラ売りだけの裸売りだと、急騰で大損してしまう。

 

なのでカラ売りは、現物株(あるいは信用買い建て)と組み合わせておかないと、みるみるうちに資産が溶ける

 

これがカラ売りの大きな弱点の一つだ。

 

 

踏み上げ相場と逆日歩

そして、カラ売りには、逆日歩(ぎゃくひぶ)というプレミアム料金が課せられることがある。

 

カラ売りは、日証金(にっしょうきん:日本証券金融)や証券会社が用意した貸株を利用して取引する。

 

カラ売りは、信用取引の一種で、僅かながらも金利がかかる。

 

ところがカラ売りが増えて、貸株が足りなくなって貸株不足になると、「品貸し料」とよばれる特別料金が発生する。

 

一株1日あたり1円とか2円と言った、特別料金がカラ売り全株に課せられるのだ。

 

これを「逆日歩」と呼ぶ。

 

たとえば逆日歩1円の株を、1万株カラ売りをしているだけで、毎日1万円が飛んでいく。

 

逆日歩10円なら、毎日10万円が飛んで行く計算だ。

 

この逆日歩は、信用取引で買い建てしている人に支払われる。

 

逆日歩1円ついた銘柄を1万株ほど買い建てしておれば、毎日1万円ずつ利益が増えていくわけだ。

 

その結果、カラ売りしている人はカラ売りを買い埋めで決済し、信用買いが増えてバランスが取れるというわけだ。

 

 

踏み上げ相場とは

逆日歩は、貸株不足が深刻になればなるほど、大きくなる。

 

「貸株注意喚起」や「新規貸株停止(売り禁)」が発表されれば、その時点で自動的に逆日歩の上限が2倍に引き上げられる。

 

それでも貸株不足が解消されなければ、「10倍適用」が発表され、逆日歩の上限が10倍に引き上げられる。

 

200円〜300円台の株だと、逆日歩の上限は1円とか2円だが、10倍適用になると、これが10円とか20円になる。

 

200円のカラ売り株に逆日歩が10円付けば、株価が210円になったのと同様だから、カラ売りの含み損が膨らむ。

 

逆日歩だけで、なんと5%の損失だ。

 

逆日歩は、貸株不足が解消しても戻ってこない。

 

なので逆日歩10倍適用が発表されたら、カラ売りしている人は株を買い戻して決済(買い埋め)するか、信用取引で買い建てしてヘッジする。

 

普段、カラ売りしている人間まで競って株を買い上がるので、株価は急騰する。

 

これが「踏み上げ相場」だ。

 

カラ売り師達は、普段人気の無い銘柄が上昇したら、絶好のチャンスだと思ってカラ売りしてきて、株価に水をぶっかけてくる存在だ。

 

なので、いつもの仕返しとばかりに買いを入れて、カラ売り師を締め上げようとする事も多い。

 

そうして株価はドンドン上がっていったりするわけだ。

 

現物株とカラ売りをセットにして持っている場合、逆日歩が付くとその分だけマイナスになる

 

なので信用買いでヘッジするか、カラ売りを買い埋めするか、保有株で「現渡し」して対処する。

 

※現渡しとは … 保有現物株を同数のカラ売り株と相殺する取引。

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