日本の労働者の大半は、サービス業。
現在起こっているパラダイムシフトは、
工業→サービス業です。
つまり工業の生産性が高くなって、
工業から人が余り出しているんです。
今まで千人で作っていた自動車が百人でできるようになる。
あるいは輸出が減って、百人しかいらなくなってしまう。
つまり、900人余りますよね。
この人々をサービス業に転職させる、大きな力が生じているわけです。
ここ二十年くらいでも本当は人余りが生じていたんですが、
輸出が伸びていたせいで、人員削減は徐々にしか進みませんでした。
ところが昨年夏のリーマン・ショックから、
アメリカでの販売が急激に落ち込み、
輸出がほぼ0になってしまったわけです。
なので、人員の余剰がいっぺんに表面化してしまったわけです。
そしてこれからは、期間工・派遣工の契約解除のみならず、
正社員の労働契約の見直し圧力も大きくなるでしょう。
そして製造業のシェアが減って、サービス業中心の経済になる。
こういう流れです。
でもしかし、人数比でいうと
日本はとっくにもうサービス業中心になっているんです。
産業人口比率でいうと日本の産業は
第一次産業(農林水産業)が5%、
第二次産業(鉱工業)が25%、
第三次産業(サービス業)が70%弱
...ってことですから。
ところが国民の意識としては、大企業は製造業が多いもんですから、
労働者というと未だに製造業の労働者というイメージがある。
労働組合も自動車・電機メーカー中心に結成されているので、
そういう錯覚がある。
マスコミ報道が派遣切りを大々的に取り上げているのは、
客観的データに基づくと言うより、イメージによるものでしょう。
だけど日本の産業の大半は、すでにサービス業なんです。
だから製造業の派遣切りがニュースで大々的に報道された時、
名乗りを上げたのはタクシー会社とか介護会社とか、
そういったサービス業ばかりだったわけですね。
派遣切りにあった人の再就職が進まないわけ
ところがそういうサービス業の求人に対して、
派遣切りにあった人は、殆ど応募しませんでした。
契約が突如打ち切られて、路頭に迷っているというのに、
なぜか彼らのためにせっかく用意された仕事に応募しない。
ハローワークでは、彼らのために住み込みの仕事を中心に
2000件あまりも求人票を用意して代々木まで出かけていったというのに、
150人前後しか相談にこないし、話もまとまらない。
派遣切りにあった人以外の求職者からみると、
とんでもない好待遇です。
その大きな原因はおそらく、用意された仕事の賃金が、
期間工や派遣工と比べると、はるかに低賃金だったからでしょうね。
どれくらい差があるかというと、3割から4割ダウン。
年収にすると、もしかすると半分くらいでしょうか。
今までと全く違った職種で、しかも収入は3分の2以下。
そういう仕事に好きでもないのに飛び込もうという人は、
なかなかいないでしょう。
本当にせっぱ詰まって、どんな仕事でもいいから仕事に就きたい!
...というような状態でないと、そういう事はできません。
だから、派遣切りにあった人の再就職が進まないってことは、
なんとなく予想できたわけです。
