飢餓の鞭ではなく、楽しく働こう!


サービス業中心の経済は、低賃金経済

しかし、だんだんそうも言っておられなくなります。
お金がなくなり、借金の当てもなくなってくると、
働かざるを得なくなる。

こういうのを「飢餓の鞭(むち)」と言います。


しかしサービス業というのは、低賃金なんです。

理論上、サービス業の賃金というのは、
生存賃金に近づいていきますので、どうしてもそうなります。

なぜかというと、サービスというのはたいていの場合、
地域内でやりとりされる価値だからです。

製造業のように、日本で大量に造って
世界中に売るって訳にはいきません。

たとえば散髪屋さんは、その地域内に住んでいる人の髪しか
切れませんし、お店にきた人しか切れません。

また、たいていのサービス業が、
あまり大きな資本を必要としませんので、
散髪屋さんが儲かるなら散髪屋さんが増え、
一人あたり生活するのにぎりぎりの収入に落ち着くわけです。


実際、サービス業では、金融などのセクターでは高賃金ですが、
そのほかのサービス業は低賃金です。

たとえば日本最大の労働組合組織の『連合』が発表している
平均賃金のデータをみてもわかります。

http://tinyurl.com/dhqgnd

この表の『産業間比較指数』という表をみると、
全産業の平均賃金を100とした場合の、
各産業の平均賃金の高低がわかります。

表の見方は、100以上のセクターは高賃金で
100未満のセクターは低賃金ってことですね。

これでみると、電機や自動車などの製造業は軒並み100以上。
鉄道・電気・ガス・水道などは120以上もあります。

一方、スーパーをはじめとする小売業は、86。
社会福祉・介護サービスなどは、76。
タクシーなどの道路旅客運送業は、69。
飲食店なども、83です。


サービス業としては、銀行や証券などの金融関係、
それから広告業などが120以上あって突出していますが、
工業から余って出てきた労働人口は、
金融や広告業には流れ込めませんので、
結局社会全体の平均賃金は下がります。

日本は、低ランニングコスト社会に移行する

この流れは、数年後、もっと大きくなるでしょう。

というのも今までは、先進国の工業が衰退した分を
日本の工業が埋め合わせる形で造って儲けていました。

たとえばテレビやパソコン、DVDといった電化製品を、
アメリカの会社が作らなくなった代わりに
日本のメーカーが造って供給しました。

またアメリカの自動車会社が儲からないからと言って
造らなかった小型車を造って売って稼いでいたわけです。


ところが今や中国やインドといった巨大人口国が工業化して、
そういう儲け方ができなくなりつつあります。

他国の消費者のための産業は、だから衰退・縮小するでしょう。
そして、自国の消費者のための産業が発達するわけです。


医療・介護サービス、教育サービス、流通サービス、
コンサルティング(相談)サービス、情報サービス...


ただそうなると、給料は大幅に下がることになります。

さっきも書きましたが、サービス業の賃金率というのは、
経済理論上、生存賃金近くまで下がるもんですから、
月20万円以上もらえたら、御の字だと思ってください。

世界最大のスーパーのウォルマートでも、
店長クラスでも給料は、月35万円くらいだそうですから、
それ以上は期待できません。

これから大学進まれる方は、卒業後、
自分がどういう産業で飯を食うのか、
そしてどういう生活レベルで生きていくのか、
在学中に考えて準備しておかないと、大変ですよ。


5年たったら、日本は相当変わっているはずですから。

このブログ記事について

このページは、みちもとが2009年2月19日 06:13に書いたブログ記事です。

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